1985

勉強したことをまとめるブログ

新型コロナウイルス予備知識(ウイルス/コロナウイルス/免疫について)

新型コロナウイルスについて理解するため

・ウイルス

コロナウイルス

・免疫

についてまとめてみる。

 

ウイルス」とは

細菌と比較してみる。(真菌は無視する)

 

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ウイルスは細胞がなく、細菌より単純な構造。タンパク質でできた「カプシド」という殻のなかに遺伝子情報となる核酸が収められている。また、一部のウイルスには、カプシドの外に「エンベロープ」という膜がついている。またウイルスは細菌よりも小さい。

ウイルスは自力で増殖する事は出来ないが、動植物の細胞のなかに入りこむことができる。どの生物のどの種類の細胞に入り込めるかは、ウイルスの種類によって異なる。動植物の細胞に入り込んだウイルスは、その細胞の機能を使って自身のコピーを増やしていく

つまりウイルスとは人の細胞に入り込み、細胞を壊しながら増殖していく極微小な感染性の構造体で、タンパク質の殻とその内部に入っている核酸からなるもの

 

ウイルス性感染症には風邪、インフルエンザ、水痘(水疱瘡)、ムンプス(おたふくかぜ)、麻疹(はしか)、風疹などがある。

 

 

 

 

CoVコロナウイルス」とは

コロナウイルスとはプラス鎖1本鎖のRNAをウイルスゲノムとして有するエンベロープウイルスである。

 

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RNA:糖部分にリボースをもつ核酸で、RNA塩基チミンがないかわりにウラシルが使われる。DNAの遺伝情報を転写したメッセンジャーRNA(mRNA:分子量5万)、リボソームの主成分であるリボソームRNA(rRNA:同50万〜200万)、アミノ酸リボソームに運ぶ転移RNA(tRNA:同3万)の3種が知られ、ふつうは1本鎖で存在する。ウイルスにはRNAを遺伝物質とするものがあり、レオウイルスのように2本鎖RNAをもつものもある。

ゲノム:ある生物形作るために必要な遺伝子全体

エンベロープウイルスエンベロープという脂質性の膜をもつウイルスの総称アルコール中性洗剤・熱などで感染能力を失わせることができる。ヘルペスウイルス・コロナウイルス・インフルエンザウイルスなどが知られる。宿主細胞内で増殖したウイルスが、宿主細胞細胞膜核膜をまとって外に飛び出すことによって形成される。表面にはスパイクよばれる糖たんぱく質突起があり、宿主細胞への侵入などに重要な役割を果たす脂溶性のため、アルコール中性洗剤などで破壊することで感染性を失わせることができる。

 

コロナウイルスにはSARS-CoVSARS-CoV-2の他に、人に日常的に感染する4種類(HCoV-229E、HCoV-OC43、HCoV-NL63、HCoV-HKU1)がある。風邪の10~15%(流行期35%)はこれら4種のコロナウイルスを原因とする。冬季に流行のピークが見られ、ほとんどの子供は6歳までに感染を経験する。これらに対する治療薬はないが、SARS-CoVSARS-CoV-2のような重傷化リスクが低いため問題視されていない。

 

 つまりコロナウイルスとは核酸として1本のRNAを持つエンベローブウイルス。SARSやCOVID−19だけでなく、いわゆる「風邪」もコロナウイルスからひきおこされる

 

 

 

 

ウイルスに立ち向かう「人体の免疫機能」とは

 

コロナウイルスの抗ウイルス薬は存在しないが、治癒させることが出来る。

体内で増殖するウイルスの感染性を失わせるものは人に備わった免疫機能である。

 

 

免疫に関わる細胞

 

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免疫機能は血液の細胞成分の一つである白血球が担っている。

骨髄に由来する顆粒球単球,リンパ組織に由来する リンパ球がある。

顆粒球は好中球好酸球好塩基球に分れ,外界から体内に侵入する細菌異物に対して,食作用により防御役割を果している。

リンパ球はB,T細胞に分れ,抗体を作り出す働きによって免疫に重要な役割を果している。

3者の割合は,顆粒球 60~70%,リンパ球 20~30%,単球5%。成人の白血球総数は,血液 1mm3あたり 5000~8000である。

 

 

どのようにはたらくか

 

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①初期の防御システムとして体内で異物を発見すると、マクロファージや顆粒球の好中球が異物を食べ、NK細胞が異物を破壊する。(自然免疫)

→マクロファージからインターロイキンIと言う物質が出てきて、脳に働き発熱中枢を刺激、発熱する。

 

②自然免疫で対処しきれない場合、マクロファージが抗原(異物)の情報を認識してヘルパーT細胞に伝えることでリンパ球による異物破壊が始まる。これを「獲得免疫」といい、"細胞性免疫"と"液性免疫"の2種類に分けられる。

→リンパ球のT細胞がだんだん増えるのに2~3日掛かる。

 

 ③細胞性免疫では、マクロファージから情報情報を受け取ったヘルパーT細胞がサイトカインを分泌してキラーT細胞マクロファージなどを活性化させ、抗原を破壊して貪食させる。

→サイトカインのような身体の中の刺激伝達物質が働くとくしゃみや鼻汁、倦怠感が現れる。

 

④液性免疫ではヘルパーT細胞が分泌するサイトカインによりB細胞が刺激されB細胞が大量の抗体を産生する。抗体は体液中を循環して全身に広がり、抗原を一つ一つ抗体で取り囲みマクロファージが飲み込む。

最初の抗体はIgMという弱い抗体だがB細胞が分裂している間にIgGという強い抗体に変化する。

 

治癒!そして・・・

刺激されたB細胞の一部は、抗原の情報を記憶しているモリーB細胞となって、再度の感染の際には、最初の反応より迅速に、そしてより抗原に親和性が高い抗体を大量に産生する。

 →大体ウイルスに感染してIgG抗体が出来るまで1週間くらい掛かる。

 

 

つまり人体の免疫機能とは白血球や抗体の働きにより抗原(ここではウイルス)を破壊・貪食し健康な細胞を守る機能。また、抗原(ウイルス)の情報を記憶し再度の感染の際には迅速に抗体を産生する抗体を体内に産生する(COVID−19ではこの機能が難しいとされている)。

 

 

 

これで新型コロナウイルスについてもうちょっと考察できるようになるかも・・・